うみぼうず

行き止まりの世界に生まれてのうみぼうずのレビュー・感想・評価

4.5
人生に立ち向かおうという意志を奮い立たせてくれるような、絶望の中に希望を見出す映画。自分が仕事や諸々で悩んだ時に観たい。
貧困、暴力、ドラッグと、それぞれ抱える問題は違えど根本にあるのは育ってきた環境と家庭にある。「この人生の責任はオレにある」というようなセリフが示した通り(めちゃくちゃうろ覚えですが…)。
でも環境や悪循環から何とか抜け出そうともがいている3人+1人で、乗り越え方はそれぞれ違えど目を背けたくなる"現実"に向き合って、少しずつ変わっていっている。
少年から青年への成長に伴う変化と痛みと別れが100分の間に簡潔にまとまっていて、映画だからかラストは良い雰囲気で終わる。ラストに向けての収束感は心地よい。ただ彼らの物語はまだまだ続く。でもスケボーに乗ってさえいれば、スケボーこそが今のドン底から這い出るための蜘蛛の糸かのよう。
明日からも頑張ろう、自分の人生を変えるのは自分自身なんだなと思う。数年間の密着によるものとはいえ、素晴らしい作品だった。
キアーは応援したいなぁ。
うみぼうず

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