れお

行き止まりの世界に生まれてのれおのレビュー・感想・評価

4.3
このタイトルがまず良い。
スケボー大好きな3人の少年の生活と暮らしを描いた映画。
白人、アジア人、黒人と人種も違う3人がスケボーを通して仲間になって、そんな3人を描いたドキュメンタリー映画。

どこの国にもあるであろう貧困層の家庭内の問題にフォーカスした映画で、スケボーが共通言語として機能してるところが彼らの救い。だけどスケボーで食えるわけもなくて、やがて「オトナ」にならなければいけない現実を生きていく。自分達の育った環境からくる闇とも向き合わなければならない様子を描いている。
この映画はザックが肝だと思った。何故なら、子供が生まれればそれまでは「俺の個性だ」で済ませられてた自分の性質も、解決しなきゃならない問題として突きつけられるから。

あと、デンバーの白人青年の言葉「苦しい白人だって存在する」がやけに刺さった。
今の若年層は物心ついた時から人種差別についての教育を受けていて価値観は前に進んでいるのに、社会では白人というだけで「差別する奴ら」というレッテルを貼られてある意味で差別される側になっていたりする現実。

瞬間の爽快感と自傷的な不安定さを感じる映画。
れお

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