Natsumi

行き止まりの世界に生まれてのNatsumiのレビュー・感想・評価

4.0
ビンが撮り続けた3人の少年の12年間を追ったドキュメンタリー映画🎞️
ビンにしか撮れないパーソナルな映像なのがとてもよかったし、3人の人生を通して、世界中にいる恵まれない環境に生まれた若者達の葛藤を感じることができた。

自分が頑張っても改善されない、そもそも頑張れないような環境に生まれたら……と想像した時、自分は前を向いて生きていけるだろうかと考えさせられた。
生まれた環境でどうしても差がついてしまうこの世界で「努力すれば夢は叶うから😉」って言葉は呪いになると思った。頑張ることはもちろんすごいことだけど、それは程度の差はあれど極論‘’頑張れる環境があったから”だと思う。
「甘え」「やる気がないから」とかの言葉では括れないレベルに、“本当にどうすることもできない人達”だっていることを忘れてはいけないと思う。その環境に置かれていない人がわかったような口聞いて上からアドバイスしてるのすごく嫌だなって思った😇

そしてビンのインタビューも胸が締め付けられる。本来なら拠り所になる親から受けた心の傷は想像を絶するものだと思う。
自分は幸運にもとても恵まれた家庭環境で、親がケンカしてるのなんて見たこともないし、暴力はもちろん精神的に支配しようとしてくることも一切なくて、常にサポーティブでいてくれる親だったけど、それって当たり前のことじゃないんだって改めて思った。
だから自分と違う境遇の人に簡単に「気持ちわかるよ」なんて言ったりしないけど、だからって他人事として無関心でもいたくない。自分に関係のないことではないと思うし、「自分がいいならそれでいい」で終わらせたくないって思う。

ニナのおじさんとおばさんのように、温かい家族を教えてくれるのは必ずしも本当の親じゃなくてもいいと思う。そういう意味でも変に「家族であること」に固執する毒親ってマジで切っていいんだなって思った👋😇

それぞれが辛さを抱える中で、“スケボー仲間”というコミュニティの存在があるだけで彼らがどれだけ救われてたか🛹
同様に自分の人生に辛さを感じる人たちが、彼らのスケボーのような、何か逃げ道になるような存在を一つでも持っていてほしいと思う。

観るのに気合が必要になる内容だけど、それでも定期的に観なきゃと思う作品だった。
最後みんなの12年間の軌跡を一気にぐわーって見せられるところで涙が出た。引越しを決意して未来に向かって歩き出すキアー、がんばれ!!!!!!
みんな一人残らず幸せになって欲しい。
本当に本当に心からそう願う。
Natsumi

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