Natsu

ばあばは、だいじょうぶのNatsuのネタバレレビュー・内容・結末

ばあばは、だいじょうぶ(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ほんの一部にしかすぎないけれども、認知症という病気、そして家族間の介護問題における現実が描かれており、最後は感情移入して見ていた自分がいた。

祖母も認知症を発症して10年になる。私は孫の立場であり、介護に直接的に関われているわけではないが、ゆっくりと症状が進んでゆく姿を目の当たりにしている。
特に、同じ話をする間隔というのが、1日、半日、3時間ごと、1時間ごと、30分、10分、5分とどんどん短くなってきている。

私は、祖母と接するにあたって、「否定しない、怒らない、穏やかに」を心掛けている。
認知症という病気を自分なりに調べたり、本映画のような経験談、実話を聞いたり観たことで、意識していることである。

しかし、毎日一緒に過ごし、身の回りの世話をしながら、自身の生活もしていくとなると、1週間という短期間でさえも、上記の心掛けがきちんと出来なかったり、もしくは無意識のうちにストレスが溜まっていたり、もっとこうすればよかったなぁと後悔したりと、介護は非常にハードルが高いと感じることが多々ある。

このように、認知症への対応や対する自分の気持ちを客観的に捉え整理することは、20代になりようやく可能になったはずだが、もし今自分が翼と同じ年代であった場合、どこまでできていただろうか。翼のように振る舞えていたのだろうか。

認知症というのは理解したくてもその本質は当人にしかわからないし、私たちには見えない当人の感情があると思う。
それをいかに汲み取り寄り添ってあげることが非常に重要であるが、自身のライフキャリア、ライフバランスを犠牲にしすぎない範囲で対応すべきと考える。

介護を取り巻く問題というのは非常に多いが、周囲のサポートや存在するサービスを有効活用してうまくやっていく力をつけていきたい。また、その質をどんどん高めていく社会になっていただければ幸いである。
Natsu

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