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世にも怪奇な物語のleylaのレビュー・感想・評価

世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)
4.2
エドガー・アラン・ポーの原作を題材にした3監督による短編オムニバス。

フェリーニ目当てで観ました。絶妙な怪奇感でホラーが苦手な私にはちょうどいい!ゴージャスな監督と演者による耽美な世界観で大満足。

『黒馬の哭く館』
ロジェ・ヴァデム監督 
ジェーン・フォンダ、ピーター・フォンダの姉弟出演

莫大な遺産を相続した女主人(ジェーン・フォンダ)の歪んだ愛。相手は弟のピーター・フォンダなのがすでにヤバイ。ゴシック×ボンテージ風の衣装を着こなすジェーン・フォンダが笑える。ピーター・フォンダが『イージー・ライダー』と印象が違う。


『影を愛した男』
ルイ・マル監督 
アラン・ドロン、ブリジッド・バルドー出演

アラン・ドロンがドッペルゲンガーで1人二役。ドSなドロンがブリジッド・バルドーをムチでいたぶる。ここだけでも最高な絵ヅラ!女性を生きたまま人体解剖しようとするとか、変態性に満ちてて面白かった。こんな変態なルイ・マルは初めて。


『悪魔の首飾り』
フェデリコ・フェリーニ監督
テレンス・スタンプ主演

このテレンスは最高すぎる!ニーノ・ロータが音楽だから、いつものフェリーニの世界観。落ち目のスターでヤク中アル中のテレンス・スタンプが少女の悪魔に惑わされる話。若い頃のテレンスはキワモノ感があって好き。

チラッとしか映らないけど少女の顔がゾッとする怖さ。600人の中から選ばれたそう。夜中に観たら怖かった〜
オレンジに染まる映像、フェラーリの疾走感、チラッとしか映らない人や背景にも個性を植え付けるフェリーニの細かい演出。全シーン最高でした。
後で観たドキュメンタリーで、テレンスはイヤイヤやってたとのこと。


📌余談

当初は7人が競作する構想があって他の4人は、ジョセフ・ロージー、クロード・シャブロル、オーソン・ウェルズ、ルキノ・ヴィスコンティだそう。この監督たちのも観てみたかった。
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