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世にも怪奇な物語のチネマエッセのレビュー・感想・評価

世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)
3.6
ロジェ・ヴァディム(黒馬の哭く館)
ルイ・マル(影を殺した男)
フェデリコフェリーニ (悪魔の首飾り)

エドガーアランポー の小説が原作。オムニバスのホラー映画です。

ロジェ・ヴァディムの話では、ジェーン・フォンダの先進的な、そしてエロが過ぎるファッションもおぞましい
ルイ・マルでは、アラン・ドロンが悪役、そして彼とトランプ対決を徹夜で挑む強気のじゃじゃ馬娘ブリジット・バルドーも見ものですが

なんかこう、ぞっとしないんですよ。ホラー映画らしくないというか・

しかし、。。

この映画で一番面白く、迫力に満ち満ちているのはやはり、フェッリーニの「悪魔の首飾り」でしょう!!

フェッリーニの作品って、一歩間違えばホラーなんだな!って今更ながら感じさせる作品です。

あらすじとしては、トップの座にまで上り詰めたイギリスのスター俳優がアル中で落ちぶれ、フェラーリ目当てにイタリア映画に出演するため渡伊するのだが・・・

という・・・ちょっと81/2を連想させるようなシナリオ。

そしてアランポーの原作は跡形もないかなりの創作です。😂

ここにははじめて日本人的には幽霊らしい幽霊が出てくるのですよ・・・もう何日か夢に出てきそうな・・・こういうところにはフェッリーニのスピリチュアルなところと、とてもドメスティックなようでとても外向きな彼を感じます。

本作品はパゾリーニの「テオレマ」の テレンス・スタンプ が主演していることから紹介しているのですが、

このテレンス・スタンプの怪演のなんたるや。

しかし実はスタンプも相当フェッリーニにダメ出しをされ、精神的にやられるぐらいに、、、
呆れたフェッリーニが彼を飲ませに飲ませ、できあがった演技だったとか・・・今の時代じゃそんなことしたら大変でしょうね

スタンプはこのあと「テオレマ」の出演となりますが、その後もイタリア映画に出演し何年かはイタリアに暮らしていたそうです。
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