悪魔の毒々クチビル

レブリコーン リターンズの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

レブリコーン リターンズ(2018年製作の映画)
3.7
「金貨を返せ!!」

1作目から25年後、再びあの家でレプリコーンが蘇るお話。

1と続いてこちらも早々に投稿。
改めてさくっと説明すると2作目から全然繋がらなくなった「レプリコーン」シリーズでしたが、2018年に1の正当続編として制作された作品です。まぁホラーシリーズでは有りがちな流れですね。
監督はアストロン6のスティーブン・コスタンスキ。「マンボーグ」超面白いよね。
レプリコーン役もウォリック・デイヴィスからリンデン・ポルコに変更されています。

そんな訳で主人公は1の主人公トリの娘ライラで、舞台も例の家とオリジナルをしっかり踏襲したものとなっていますが監督が監督なので作風は全く違うものになっています。
そう、今作はガッツリとゴアいスラッシャーホラーへと振り切っており、腹はズタボロに破られたり首が跳ね飛んだりソーラーパネルで身体が真っ二つになったりと、おおよそコスタンスキ監督の作品を観てきた人は満足いくであろうゴア描写が揃っています。

こういうのが好きな身からすると全然この変化は歓迎出来るんだけど悲しいかな、ウォリック版のレプリコーンにあったキモカワな個性や程よいダークファンタジーな雰囲気は完全に無くなってしまったんですよね。
レプリコーンの見た目は大分異なっていて、それこそ顔面や肌の質感は「サイコ・ゴアマン」に近いものがあり、妖精と言うよりモンスター味が強い。
なのでキャラ自体は相変わらずコミカルなままで、ドローンに乗って追ってきたりと笑えるような場面もあるんだけどイマイチ滑稽さに欠けてしまっていて。
たまに使う魔法も過去にあったファンタジーなエフェクトもなく、地味な感じはありました。
死体から目を抉り出すくだりのような1へのオマージュは良かったです。

あとはキャラに全然魅力が無い。
1からオジーがまさかの続投で結構嬉しかったんだけど、いきなりアレは無いでしょ。他の登場人物が只の意識高い系環境保護推進キャラなだけに、物足りない。
この薄っぺらさは良くも悪くもスラッシャーっぽいとも言えるけど、1でキャラも印象的で好きだった俺的にはマイナスですかね。
トリも出番はありませんが、その後は語られていて何とも残念な末路に。うーん。
その後のオジー再登場もまぁ、彼らしい一面はあるんだけどそもそもそんなノリあったっけ?
ウォリック版まだ全部は観ていないけど、うーん。

ゴアいスラッシャーコメディとしては全然オススメ出来ますし、これ見よがしにゴアっている分寧ろ1より嵌まる人もいる気がしますが、個人的には全体的に普通になってしまったなぁって気持ちもありこのスコアということで。