ねこまるキャット

スウィング・キッズのねこまるキャットのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
3.6
『ダンス』×『意思』
収容所の捕虜達がダンスを通して意思疎通していく映画。

黒人の士官がダンスを教えるも、主人公と母国語が違うため、言葉の意思疎通は出来ません。

言葉が通じないにも関わらず、自分の母国語で通じるかのように喋ります。

もちろんこちらは字幕を読んでいるので分かりますが、二人の会話は最初から最後まで何も通じ合ってはいない。

しかし決して"不毛"な会話ではなく、蓄積されていっているものがある気がします。

ダンスに対する情熱のみで意思疎通をし、蓄積され、互いを認め合い、尊重し合う間柄になっていく様は、戦争や人種差別こそが"不毛"だというメッセージに感じられました。

言葉が通じてしまうからこそ、平和が遠くなってしまうのかと、そんな事を考えさせられる映画です。

独特なカメラワーク、とてもエネルギッシュなダンスを通して、強烈なメッセージを突きつけられます。

テーマやメッセージが重く、少し上級者向けな作品な気がするので、個人的にはそこまでハマりませんでしたが、鑑賞して良かったかなと思いました。

気軽に見れる作品ではありませんが、未鑑賞で興味があれば是非🐈