このレビューはネタバレを含みます
朝鮮戦争最中の巨済捕虜収容所内でのお話で、戦争捕虜の置かれている立場によって人々が複雑に交錯していて…序盤はその歴史背景に詳しくないので戸惑う。
収容所のイメージアップのため、赤十字の視察に向け捕虜たちによるダンスチームを作らせるのだけど…
5人のメンバー、同じ立ち位置の人間がいないというのが、ダンスを踊ること自体にも影響があり、また所属から束の間離れられる拠り所にもなっていたような気がする。
タップダンスのリーダーは
かつてブロードウェイのタップダンサーで、家族と離れ駐屯している米軍下士官の黒人ジャクソン
前線で闘う英雄的兄を持つ北朝鮮兵士のカリスマ、こどもの頃はロシア舞踊団に通っていたというギス
幼い弟妹達を抱えお金を稼ぐため4か国語が話せるのを武器にジャクソンの通訳に…歌って踊れる紅一点ヤン・パンネ
かつて天才振付師だったぷりっとツヤツヤした見た目からは気づけない栄養失調と狭心症持ちの中国人兵士シャオパン
兵士と間違えられ捕らえられた不遇の民間人で、タップで有名になって生き別れの妻を探そうと考えるビョンサム
それぞれ魅力的なキャラクターで、重苦しいテーマの中でもユーモアのあるシーンが多々あって救われるキモチ。
ダンスや音楽モチーフ映画の良いところは、人種や主義や思想や性別や言葉…アレコレ違っていても、音楽が流れてリズムが走りだすと心が持っていかれて気持ちよくなっちゃう。
観ておいてよかったな1本でした。
しかしD.O.のタップ、凄いな。。