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スウィング・キッズのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
4.6



“ファッ◯ン! イデオロギー”




【Sunny・永遠の仲間たち】のカン・ヒョンチョル監督が描く韓流ミュージカルの革新的な傑作。

朝鮮戦争時の南側捕虜収容施設(巨済収容所)での対外的なイメージアップという胸糞な理由の為に結成?されたタップダンスチームの物語。

だからといってサクセスストーリーを描いたミュージカル作品と侮ってしまうと色んな意味で痛い目に遭う。
史実ベースの本作は、あくまでも戦争映画であり、イデオロギーが齎す人間の弱さや愚かさを露骨に凄惨描写している強烈な作品。
そこへタップダンスを中心とした“音楽”の本質的な意味や必要性を、エンターテインメント寄りにフル稼働させて非常にわかりやすく、時に不謹慎なほどにコミカル演出させることによって、戦争やイデオロギーへ真っ向から中指を立てている沸々とした熱量で、とにかく胸に心に突き刺さる!

前述の通り、あくまでも史実を基に描かれている本作は、決して爽快なミュージカル映画ではない。
更に言うと、私は楽観主義的なミュージカル映画が全般的に好きじゃない為、このエグいほどに現実を叩きつけられるストーリー展開とタップダンスとのコントラストや、本作に於ける音楽的パシフィズムの誇示に胸を抉られ、また堪らない感動を覚えた。


ミュージカル映画であり胸糞映画。
戦争映画であり音楽映画。



韓流アイドル(K-POP)には滅法疎いので、後で知ったD.O.というメインキャストの青年がめちゃくちゃキュートで格好良い!!
完全に黒人のダンザーを食っちゃってるキレっキレのタップダンスは必見♬






“I want just Dance”
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