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スウィング・キッズのSSのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
3.5
中盤の前と後で映画の雰囲気の変わり具合に呆然だった。
最初のうちは、各所の異端児的な人々が集まり、やがて絆を深めていく…っていう王道ストーリー。
場所が戦時中の捕虜収容所っていうのくらいがユニークどころな、よくあるやつか。でもまあタップダンス上手いし、曲も楽しいし(なんならややミュージカル調)、何も考えられずに観てられるな〜

みたいに高くくってたら後半で泡吹いた…。
ちゃんと、戦時中で、各イデオロギーが対立する人々同士の怒るべくして起こる出来事が描かれてて。
最後は「まじか……」って感じだけど、まあ、こういう感じで無差別に、っていうのは当時全然あったんだろうな。

共産主義とか、資本主義とか、そんなのはロシアとアメリカが作ったものだ。それに翻弄されて同じ民族で殺し合いをするのは馬鹿げてる。
イデオロギーを無視して、大事な人を守ることをしてる俺が1番まともだ。
みたいなセリフを吐く人がいるけど、いやほんとその通りだよ…って思った。
今でこそ、そういうイデオロギーが完全に染み付いた世の中になってるし、染みついた世界に生を受けた人が圧倒的に増えてしまったから、この感覚がある人は少ないんだと思う。
でも、当時、突然登場したイデオロギーによって国を分断されて、同民族で殺し合いをする羽目になった人々にとっては、異物感もあったんだろうなあって。

〜主義、なんてめんどくさいの、とっととなくせばいいのにね。って、最近の情勢を見てても思う。
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