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スウィング・キッズのjamのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
4.2
もしも舞台が日本だったら。
戦時下という状況の中でも、ダンスを通じて絆を深めた仲間たちの青春ストーリーになったかも…
と、妄想するくらいには、ヘヴィな終盤で。


大好きなジャスのリズムに、タップダンス…予告を観た時から、これは絶対楽しいヤツ、と期待に胸弾ませて。
せっかくだから、いい音で…
と、シネマシティの極音上映をチョイス。


朝鮮戦争当時の巨済捕虜収容所
交代した所長の発案で、捕虜たちによるダンスチーム結成が計画されて。
元ブロードウェイのタップダンサー、ジャクソンをリーダーにオーディションが行われるところから

集まったのは訳ありの面々
妻を探したい民間人ビョンサム
4カ国語を操る通訳である紅一点ヤン
体型からは想像できないダンスセンスを持つ
中国人シャオパン
それに
収容所内で一番の厄介者ロ・ギス

初体験のタップダンスに悪戦苦闘しながらも、
バラバラのメンバー同士の心も徐々に通じ合っていく
ダンスへの想いを素直に認めることがなかなか出来なかったギスだけれど
初めて手にしたタップシューズの金属板"タップス"には隠しきれない笑顔が映っていて。

収容所の乾いた地面を蹴り
ススキの原っぱで身体を揺らして
雨降りに泥まみれでスイングする

アメリカ兵とのダンスバトルも難なくクリアして
目指すはカーネギーホール!


…と、韓国映画は一筋縄ではいかない…
明るく能天気に暮らしていた収容所の捕虜たちだけれど
"アカ"の同級生、グァングの過激なやり方に、
収容所内は一転して不穏な空気に。


果たしてクリスマス公演はどうなるのか…


どれだけレッスンを積んたのかと感心しきりの、
ロ・ギス役のD.O.
彼の卓越したダンスは本物のタップダンサーであるジャクソン役のジャレッドにも引けを取らない出来。
エンディングの二人のダンスバトルはほんとうに素晴らしい。
映画「ホワイトナイツ」のバリシニコフとグレゴリー・ハインズを思い出すほど。

紅一点のヤンも良かった
歌もダンスももちろん
戦争で親を失い、きょうだいを養うためのバイタリティと、可愛い見た目のギャップ


We are Swing Kids

チームがまとまって、最高のパフォーマンスを魅せて…

熱い友情に感動して、The End…

日本が舞台だったらね…


彼らの
〈Fuck'in Ideology!〉に乾杯!
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