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マルモイ ことばあつめのkissenger800のレビュー・感想・評価

マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)
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同化政策の苛烈さを描いてなおエンターテイメントとして成立させる、って難事業がやすやすと達成されているように「見える」のはもちろん製作陣の力量なんですけど、さすがにこれだけ自国の過去を可視化されると笑う気にはなれないですよね。

あと思ったんですけどね、創氏改名は自発的におこなわれた的な主張を真顔でいうひとが、この作品を見て自説を補強することだってありそうじゃないですか。歴史を学ばないことによる、時間の縦軸の断絶を感じるだけでなく、同時代なのに。っていう横軸の断絶のことにまで思いを馳せるハメに。

ウイグルはさすがに広く知られましたが、たとえばベトナムやミャンマー、インドネシア、フィリピン等等、日本との縁が濃くなっている東南アジアの国々においても実は現在進行形で同化政策は進められているわけでして、翻って本邦の沖縄に向ける視線はそれらと違いますか。本当にそう思いますか。みたいなこととか、まあ大体見る前から予想していたこととはいえ、いろいろなことを考えるきっかけが埋まっている作品でした。
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