泡沫

マルモイ ことばあつめの泡沫のレビュー・感想・評価

マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)
4.0
ただでさえ無神経には見られない話なんだけど、教育を「尊厳を守るためのもの」と考える人々に対して教育をもって尊厳を奪おうとする総督府の姿勢は今も生きてるなーと思って暗澹としてくる。
それでもユ・ヘジンは期待を裏切らないいいキャラ・いい顔で、例のごとく夢中で見てしまった。「ことばあつめ(辞典を意味するとのこと)」というタイトルの映画に刑務所あがりの字も読めない男を主役に据えるというのもとてもいい…辞典をつくるという大事業は限られた人にしかできないと思ってしまいがちだが、パンスのような人も確かにことばを駆使し受け継いできた「同志」のひとりなんであるということがちゃんと描かれている。
私も韓国語じゃないけど語学初学者なんで、あちこちに書いてある文字を読んでは喜んでるシーンには共感して笑ってしまった。
見終わったあと、この地道で困難な経験が朝鮮語(韓国語)を母語とする人たちの中に息づいているのかなと思った。私はこのことを忘れずよその国の言語や文化に敬意を払っていく。
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