RAY

マルモイ ことばあつめのRAYのレビュー・感想・評価

マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)
3.8
“自分”


考えさせられる映画であったことは間違いない。

監督は『タクシー運転手 約束は海を越えて』の脚本も担当したオム・ユナ。
今作が長編映画初監督作品とのこと。
『タクシー運転手』も未鑑賞の僕にとってはむしろ楽しみな作品でした。


日本統治時代の朝鮮半島で起こった、朝鮮語学会事件を基に作られた本作。
主人公と朝鮮語学会のメンバーが朝鮮語の辞書を完成させる為に活動する姿を描いています。

冒頭に書いた様に、とても考えさせられる作品だと思いましたし、感動する作品でもありました。
だけど、レビューにするにはとても難しい作品でもあって、鑑賞から一週間以上が経っても書けずにいました。
今でも僕の中には何とも言えない部分が残っているし、それを言葉にするのは難しい。
ですから、ここには感想だけを書いておこうと思います。


言葉を題材としているだけあってか、とてもテンポ良く笑いも交えた構成になっていて、感動するだけでもなく辛いだけでもなく、抑揚が効いていて観やすかったところがまず良かったです。
また、史実を描くことにおいては客観性も重要だと思うのですが、この映画がどう捉えていたのかは別にして、朝鮮半島における識字率の問題を描いていた点は好感を持ちました。


言葉は民族の誇り。
それぞれの場所にそれぞれの言葉がある。
言葉の成り立ち。言葉の意味。言葉の役割。
持っているものの尊さを知らなければいけない。


観て良かった。
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