喜連川風連

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!の喜連川風連のレビュー・感想・評価

3.5
サマーウォーズの原型が多量に散りばめられていた。
(電脳空間の作画。世界中の声が武器になる演出。)

あんまり懐古趣味に浸るのは良くないと思いつつも、自分の小学生時代の空気感が克明に表現されていてあの日あの時、友人宅でゲームをした感情を思い出した。正直言って超エモい。

電話回線でパソコンを繋ぎ、マンションの友達の家に遊びに行きながら、その家で麦茶をご馳走になる日常。ありありとあの日の感情が蘇ってくる。

そして舞台が光が丘団地なのがなんとも90年台後半から00年代前半の近未来っぽい感じがして心がざわつく。決してサザエさんやドラえもんのような個人宅は出てこない。

敵がNTTを攻撃してるところや海外のメール友達というワードにも時代を感じた。

思い返せば、
ロックマンといい、遊戯王といい、デジモンといい、ポケモンといい、自分の体を直接痛めずに、誰かに戦わせるコンテンツが多かったし、それに興奮してたのを覚えている。

こうしたものが自分たちデジタルネイティブにとって身近に感じるコンテンツなのかもしれない。

自分じゃないアバター的感覚。
一時期のプリクラしかり、インスタグラマーしかり、僕らは誰かに何者かに成りたがっている。

それもひとえに物質や食料が満ちきった時代の新たな欲望なのかもしれない。
喜連川風連

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