いしんじ

天気の子のいしんじのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.9
アコム、ドンキ、バイトル、知恵袋、バニラ……挙げだすと本当にキリがないくらいとにかく現実の固有名詞。そんなんが、実写に見える瞬間も度々あるような作画の中に出てくるもんだから、アニメであることに違和感すら覚え始める。だからもうファンタジーってこととか終盤までほぼ忘れてた。

そういった店名・サイト名などなどのきっちりした現実感に加えて、泊まるところがラブホしかない(しかもたぶんキャラは理解してない)とか、終盤で銃撃った時の沈黙の長さとか、そういったリアリティもきっちりされてるから、都合のための嘘(例えば警察のチカラの強くなさだとか)も割とどんどん飲み込んでいける。

まぁ、だからこそ歌詞入りの歌を劇伴としてあまり何度も流されるのはちょっとしんどかったけど…。

彼らの選択は自分は結構好きで、人の人生を狂わせ色んなもの壊して、最後は超ダイナミックに東京を巻き込んだたったひとつの恋。最高やないか。
昔のJ-POPの「たとえ世界中が君の敵になっても」みたいなあの意気込みをあまり聞かなくなったこの草食系の時代、こういう恋のお話をそろそろ求めていた頃じゃぁありませんか??(わたしは、そうです)

そして、ここまでダイナミックにやったんだから、そりゃもう無事に終わられちゃこっちが困りますわいというもんです。後の祭り。大自然様のチカラ。どうにもできないことの中で選んでいくしかないんですよね。
いしんじ

いしんじ