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天気の子のandesのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
2.5
開始20分でキツくなる短絡的で幼稚な主人公に頭がクラクラする。終始、この小学生のような男子高校生にイラつきながらの鑑賞となった。ボーイミーツガール的なファンタジーストーリーはわからなくもないが、なんか必然性があまり感じられず、唐突な展開も乗れない。
家出をした理由が不明、何故ヒロインが天気の子に選ばれたのか不明(まさか鳥居をくぐっただけ?)と根幹の部分がよくわからず、意図的なのかもしれないが、行動のバックボーンがわからないので、ただのアホが世間に迷惑をかける話に思える。登場人物全員が「そんな奴いねーよ」なので、話に乗れない。
トレースを使用したキラキラした作画に今どきの歌手を掛け合わせた「エモい」画面は正直飽きる。まぁ、ここは得意な分野だとは思うし、たしかに「アガる」画作りは上手い。
ストーリーはなかなか挑戦的で「君のためになら世界なんて知らん」というもの。これはこれで良いが(好みではないけど)、「代償」が描かれないのはアンフェアだと思う。主人公はヒロインを選び、世界を捨てたのだ。あんだけの大雨台風に落雷まみれで、しかも3年間降りっぱなし。何人死んだんだろう。つまり、壊滅的な被害を見せていない。「なんとなく東京は水没したけど、みんな元気にやってます」は無責任過ぎる。ババアに「昔に戻っただけ」と語らせ論点をずらさせるのは卑怯。
魚だとか龍だとか、取ってつけたようなモチーフはどうでもいい。新海誠の置かれた状況のメタファーだとかも知らん。映画を免罪符にしないでほしい。対象年齢は高校生以下だろう。
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