星憑ネオン

天気の子の星憑ネオンのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.7
前作「君の名は。」が、それまでのキャリアの集大成、言わばいいトコ取りのベスト版だったのに対し、こちらは至極誠実に作られたフルアルバムもしくは前作のカウンターとしての裏ベストか。今の時代の気分を反映しつつも、独自の芸風・童貞のナルシズム&少し不思議(SF)をきちんと固辞し、エンタメとして過去最高に振り切った今作。完成度ではそりゃ前作に敵いませんが、荒々しくも全速力で駆け抜けようとする様に自分はエールを送りたい、そんな感じでした。世界はとっくに狂ってて、所詮人は生かされてる存在でしかなく。でもせめて若人よ、誰かを思う気持ちだけは止めちゃ駄目なんだよと。なんでこんなありふれた内容なのに肯定したくなるんだ正に新海マジック!己の心の中の十代がこれ好きとわめいてたんよ。

パンフレットで北の国からを見てたと書かれてて、色んな意味で腑に落ちました。ああ倉本聰イズムの継承者はここにいたんだって。
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