ふじたけ

天気の子のふじたけのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
1.0
これは映画と人間に対する冒涜である。観客をなめくさってる。こんな映画を作るんだったら、もう二度と映画なんて作らないでほしい。怒りのあまり途中泣きそうになってしまった。もっといい映画作っている人が日本にはいっぱいいるのに。
新海は、もっと責任を持って作品を作るべきだった。「君の名は」のヒットを受けて、中高生を筆頭にたくさんの人がこの映画を見ることになるんだから、適当なことは言えないんだし、彼らを感動させ導いていくような映画を作らなければいけない。なのにこのザマ。これでは世界はなにも変わらない。この狂った世界に少しでも希望を与えるために映画を作るんだろうが。
どうせこういう映画作ったら絶対若い人に受けるなとか思って、あっちのレベルに合わせて作ってんだろう。お決まりの展開ばかり。シーンの盛り上げ方が雑。音楽かけとけば感動するだろうとか適当にやってんだろう。しかも君の名とストーリー展開似すぎ。つまんねえな。もっとチャレンジしろよ。安全策をとってお金をとることしか考えてない。大勢の人が見るんだから、常識を破壊するような映画を作るべきでしょ。今の時代どんなにいい映画を作ってもそれを見るのはごく一部。そんな厳しい映画界で彼の映画を見る人は大勢いる。だからこそ観客に合わせるんではなく、何か大切な新しいものを与えて、観客をより高いところへ連れて行く映画を作ってくれよ。そういう使命感がないのかな?
確かにエンドは想像しているのとは違かった。その意味ではこっちに対して何か新たな物を与えたのかもしれない。けど二人だけで完成された理想の中に住み込むオチはないわ。しかもそれを肯定的に描くようなラストシーン。なんでこんなメッセージを伝えるわけ?何がしたいの。こんな事ばっかだから世界が狂っていくんだよ。
主人公は自己中心的なままただ生きているだけでなんも見えてない。葛藤もなく、ただ迫ってくる社会に対して反抗するだけ。こんな人を肯定的に描いて何がしたいわけ?普通はそこで壁にぶつかって色々と試行錯誤して自分を知って、自分を位置付けていくわけでしょ。そして、迷いに迷って自分なりの答えを見出していくわけだ。でもそれがない(それがない映画もあるけど、別に何か映像表現でチャレンジしているわけではないし、そもそも主人公がなんも変わらないただのガキだからどうであれ感動はしない)自分を全然見れてないから。だから何にも感動しないし、興奮もしない。深みが全くなく、全く人間を描けていない。
それから、言葉で説明しすぎなんだよな。最初から長いナレーションで萎えた。まあそれが逆に主人公が自分を客観視できているようで全くできていない自己中野郎だってことを示しているのかもしれないけど。わざとらしく感情と言葉を表に出す演出も気持ち悪い。映画をなめてる、バカにしている。
あと、ただ祈って晴れるだけだから、あんまりSF(?)ってかファンタジーっぽくないんだよね。ものすごく普通の世界に根ざしている。広告多すぎて気持ち悪い。バニラとか映画でやんなよ。そこもちょっと乗り切れなかったポイント。なんかストーリーの描かれ方が普通すぎ。それがいい人もいるんだろうけど。
まあでも結局は、描き方が大っ嫌いなんだよな。映画に対するリスペクトが全く感じられない。雑なんだよ。もっといろんなショットと、そして動きを組み合わせてシーンを構築するべき。各ショットが短すぎるし、なんかただ風景写したもの多いし、ショット間で時間飛ばしすぎ。リズム感が全く理解できない。
ストーリーの展開に関してももっと突っ込みたいところがあるけどもう疲れました。僕は悲しいです。
こんな映画が売れてしまうなんてこの世界は狂っているけど頑張って生きよう。
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