Kawaguchi

天気の子のKawaguchiのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.1
本作の主題は「モノが溢れる貧しさ、モノが溢れる絶望、なんでも手に入る貧しさ」だと思います。

でも、その先にはなにも無いんです。ひと昔みたいな「結婚や車や家を買う」「夢を追いかけ、実現する」みたいな幸せは、若者にとっては手の届かない貧しい国になってしまいました。劇中でのマクドナルドやカップラーメンが御馳走として描かれます。スポンサーとしてお金を出してる企業に対しても皮肉ってますよね。

そんな世界にしてしまった大人への怒りの象徴が「拾った拳銃」です。狂った世の中よりも愛するひとが大切だという、新海誠なりの宣戦布告ではないでしょうか。なにも無くなってしまった世代の唯一の希望なんです。

前作「君の名」は新海誠なりの「1Q84」だったのであれば、本作は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド 」だと思います。
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