あーさん

天気の子のあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

まとまらない。。
丸一日寝かせていたけど、メッセージを掴みかねている。
イマイチ…とも、最高!とも言えない。

何だろう、このモヤっと感、、
でも、物凄いエネルギーのものを観た、という疲労感。。

今作を一回で理解できる人は、頭が高性能スペックだと思う!
容量が追いつかないほど、描き込まれているし、中身が濃い。


"君の名は。"と比べてはいけない、とわかっている。
でも、"作品の流れ"があることは確か。
"言の葉の庭"で、写実的であまりにも美しい雨の表現に只々驚いたのだけれど、ストーリーと画の融合性にちょっと違和感があり、今一つハマれなかった。。
そして、"君の名は。"では、それが見事に払拭され、洗練された作品に仕上がった。
(それ故に、昔からのファンの中には好きになれない人もいただろうけれど)

そして、今作。
実は中盤まで全くストーリーに入っていけず、共感しなくても楽しめれば良かったのだけれど、、どこか蚊帳の外な感じ。

主人公が東京に出てくる背景がよくわからないから、帆高のキャラクターが掴めない。
祈れば天気を晴れにすることができる少女、陽菜と帆高の2人(陽菜の弟の凪と3人?)の逃避行はおままごとみたいでかわいいけど、銃とか警察とか出てくるからリアリティにも寄れない、ファンタジーにも寄れない、どっち?ってなる。
血の繋がらない関係が疑似家族のようになっていく所、、"万引き家族"をふと思い出した。

一番共感できたのは、帆高を助けてくれる大人の須賀圭介(小栗旬の声が良かった)。
こういう作品観るには私が歳をとっちゃったってことなのかな。。ちょっと切ない。

それから、帆高が引き金を引くシーン。
矛盾するかもしれないけれど、あれはグッときた!彼の本気が垣間見えた。
あそこで何かスイッチが入ったのかなって思う。
ムキになって大人に抗う姿が、アメリカン・ニューシネマのテイスト??
にしては、画がかわいすぎるし。。

更に雲や雨、空の美しさが眩し過ぎて、やはりどこか稚拙なストーリーとそこが乖離してしまう感が拭えず。

"自己犠牲"というテーマも、敢えて"君の名は。"と真逆のラストにしたんだろうけど。
良いとも悪いとも言えない。
これは、何回か観ないと整理できないし、理解もできないなぁ。。

とりあえず、サリンジャーの"ライ麦畑でつかまえて"を読んでから、再チャレンジしようかな。
また感想が変わるだろうか。

悔しい、、
"犬ヶ島"を観た時とちょっと似た気持ち。

鑑賞する側の感性が追いついていかない。

前作のキャラクターのカメオにも全く気づけなかった。
隣で観ていたカップルの女の子が、彼氏に"ここに出てたんだよ〜"と教えてあげてるのを聞いて、"え?"となり。。

今作を楽しむには、今の私には決定的に何かが足りないのか。
もしかしてモスキート音みたいにオープンにはしないけど、目に見えない心の年齢制限があるのかもしれないなぁ。。



音楽について ♪
素晴らしかった〜!
前作に引き続き、またRADWIMPS起用というのはどこか同じような感じになってしまうのでは?という危惧があったけれど、その点は全く大丈夫だった。
"愛にできることはまだあるかい"の歌詞の世界観が作品にピターッと寄り添っていて、素晴らしかった。。洋次郎、グッジョブ!
そしてそして、
"祝祭" "グランドエスケープ"の三浦透子!
今作での一番の収穫。透明感のある歌声にハマってしまった ♪ 要チェック!



*こぼれ話
今作を観た日の朝5時頃、大学生の息子がリビングでゴソゴソし出して(夏場はエアコンから避難すべくリビングで寝ている)私は案の定、音で起こされた。
そこから、何だかんだ問わず語りが始まって悩み相談室のようになり、寝ながらしゃべっていた私は寝てもいられなくなり、、
話をまとめると、来年就活なのだけれど、何をやっていいかわからなくなった。自分は恵まれ過ぎていて、ハングリーさが足りない。もっと自分を追い込みたい。だから、一人暮らししたい、、etc
はぁーわかるけどね。。自分もそんなトコあったから止めはしないけど、今このタイミング?そして、一人暮らししたら何か見えてくるの?などと話していたら、ちょっと落ち着いたみたいで、今すぐやる!という感じにはならない様子だったけど、色々と息子も悩んでいるんだなぁ、、と。
→こんなに早く起きたら映画観ながら寝てしまう!と危機感を募らせたが、大丈夫だった🙆‍♀️
そんなこんなで、頭を色んなことが占領している中で観たから、今一つ入り込めなかったのかなぁ。。思いきり親世代なので。
観るタイミング、大事かも!




2019.9.
サリンジャーの"ライ麦畑でつかまえて"を読了。思春期とは、ある意味精神のバランスを崩してしまう時期なのかもしれない、と改めて。
世界観はとてもよく伝わった。
こちらを観る前に、読んでおくことをオススメします。
あーさん

あーさん