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天気の子のwksgknchのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
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良かった。とても。

1つ1つの伏線が映画内の行動のきっかけになるのは勿論のこと、現実の社会に対する気づきに繋がるような事柄が色々落としこんでいる気がする。

穂高の東京での生活の大変さはレールから外れた者の有り様を、陽菜が料理に手慣れている裏で、安い商品を応用して食べていたことを示唆させる描写、それが新海誠作品の特徴でもある緻密な都市描写によってリアリティを増す。

穂高と須賀の対比も良かった、一途で青春を生きる穂高と、それを通過した須賀、あえて少年と呼び、斜に構え、今を生きているまぶしい穂高をかわしている。

穂高の成長による、周囲の振る舞い方や呼び方の変化も、その中で強烈な描写があるが、何故あれをきっかけとしたのか、結構挑戦的だと感じた。

今回のPVは何故かあまり違和感がなかった、RADだけじゃないからか?日常を描き、場面の転回と緩和なのは変わらないのだけど。

須賀のラストの言葉、そんなこと言ってしまうんだ、と、何でもあり、あるいは何でもない。だからこそ、穂高の決断は「たとえ世界の形を決定的に変えてしまった」としても、誰も非難できるものではない、世界は思っているよりもずっと広い。世界の中心だと思っていてもそんなことは全然ない。

多くを説明しないのも良かった。
とにかく、私的には前作を軽く超えてます。
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