映画好きの柴犬

2分の1の魔法の映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
4.0
夢と希望はここ(心)にある

 科学の発展で魔法が失われかけた世界で、亡くなった父を甦らせる魔法の石を探す兄弟の冒険ファンタジー。

 ってあらすじを書くと「鋼の錬金術師」か!って感じになるけど、そこはさすがDisney/PIXAR。一味も二味も違う。

 失われていく魔法は、日常生活に押しつぶされていく夢と希望の象徴。才能はあるけど自信のない弟イアンが魔法を習得していくことで夢と希望を取り戻す成長物語。と思いきや、口先ばかりで厄介者扱いの兄バーリーが、希望を捨てずに弟を鼓舞し続ける姿から、夢や希望は魔法や才能みたいなものではなく、気持ちの持ちようなんだと訴えかけてくる。それに気付いた弟が、兄を支える側に回るクライマックスへの展開が素晴らしい。

 吹き替え版の志尊淳・城田優は、声は悪くないがちょっと硬さがあるので、ハイテンションなトム・ホランド、クリス・プラットの字幕版の方がおすすめ。