このレビューはネタバレを含みます
なんと…想像以上にすごかったです。
内容が。
始まった時は、「また不思議の世界ね」「また"片方の親を亡くした寂しい子"ね」と思いながら、ありがちな話を想像したのですが、主人公のイアンが、死んだ父親を束の間生き返らせることに成功したにもかかわらず、まさか遠目にしか見られないで終わる結末とは。
しかし、そのイアンの決断が素晴らし過ぎて泣かされました。深すぎ。
平凡な話であれば、父親に会ったことのない次男（イアン）が、さまざまな困難を経て父親についに会えた！が物語のクライマックスになりそうなのに、「自分にはずっと兄ちゃんがいた、兄ちゃんこそ父さんに会うべきだ」という結論に至るなんて、物事の真理に迫り過ぎていて、「話をそう転がすか！」と驚きました。
兄である長男を抱きしめる父親の姿を遠くから見るだけに終わる次男の立場からしたら、すごく悲しい結末。しかし確かに、もはや頼る男親もなく長男として弟のそばにいた兄こそ実は孤独に違いないし、そこに気づく弟の優しさがすごすぎます。
私は十分に楽しめました。
