NEPPY

2分の1の魔法のNEPPYのネタバレレビュー・内容・結末

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

観終わった後から、わたしの頭の中はバーリーのことでいっぱい。

冒頭バーリーの印象は、大学にも行かずふらふらチャラチャラ遊んでいる歴史オタクの兄。
ノリがうざくて弟からも若干煙たがられてるし、街でもちょっと厄介者みたいな存在。

でもこの映画を観終わったとき、わたしはバーリー視点のこの物語が観たいと心底思った。

バーリーがイアンのことを愛しているのは事実だし、もちろんバーリー自身が進んでそうしているのはわかっていますが、トトロの序盤のサツキちゃんのようなものを感じてしまった。
自分自身もまだ子供のうちから“父親の代わり”を背負い、自分自身のわがままはぐっと堪えて来たんじゃないかって。

他人から“失敗作”なんて言われて、
弟もそれを否定する事も無くて、
自分の胸の中に“父親との4つめの思い出”
をずっと閉じ込めて、
この作品は、イアンが“会ったことのない父に会いたい!”という思いで成長していく物語。だからバーリーはそんなイアンを“サポートする”大切なキャラクター。それもわかってる。

誰よりも魔法を使いたかったのはバーリーだったろうし、バーリーがもし魔法を使えたらどんなに嬉しかっただろうかと思う。
でもイアンがあっさり魔法を使えてしまった時に「俺の弟は魔法の天才だ!」って喜ぶバーリーをたまらなく抱きしめたくなった。
バーリーが大切な愛車(愛馬)を見送った時、胸が苦しくなった。

父、ウィルデンとバーリーがあの時どんな言葉を交わしたのかは誰も知らない。
けれど、あのハグのシーンでわたしは涙がこぼれてしまった。単純な感動では無くて、ここでもバーリーは“父の代わり”なんだという切ない思いがあった。
ウィルデンとしても、短い限られた時間での精一杯だったんだろうし、ウィルデンがバーリーをハグしたときはきっと兄弟二人ともを抱きしめていたんだと思う。
だけど、“バーリーのためだけの”というものがあって欲しかった。

片親家庭での長子が背負わされるものという視点で見てしまって、思い返すたびにバーリーを抱きしめたくなってしまうよ、バーリー……………。


でも一番好きだったのはローレル(ママ)!!!
最高にキュートで最強の戦士なママ!!!
ローレルとマンティコアの大冒険もスピンオフ短編とかで欲しいですね 笑

一番はじめにキャラクタービジュアルとキャストが発表になった瞬間から「クリプラとトムホじゃん!!!」と思い続けていましたが、観てる間も、観たあとも不思議と二人が出てる実写作品を観たような気分になってました 笑
あと、マンティコアもオクタヴィア・スペンサーだとエンドロールで知り、もうそうにしか見えなくなってしまった 笑
でもそれが映画の良さを邪魔するわけでは無くて、良い方に作用していてとても良いキャスティングだったと思います。
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