シネマスナイパーF

2分の1の魔法のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
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多分ピクサー的にはジャブでしかないのかもしれない
グウィネヴィアと真反対で超安全運転もいいとこ
でも泣いちゃう…悔しいけど簡単に泣かされちゃう…
トム・ホランドとクリス・プラットっていうキャスティングがズルいわ
科学クラス陰キャのピーター・パーカー感、親の死に目に会えなかった男のピーター・クイル感
両方ピーターじゃねえか!!


そもそも物語が上品すぎるわ
なんやあのクライマックス
上品すぎて若干引きました
覗くだけってお前…品に満ちすぎている…
ああそっちがメインの話だったのかと分からせる加速がエグすぎて不可逆的に泣かされるのよ
実は父親自身もマクガフィンにすぎず、石と合わせてダブルマクガフィンなんだよね
しかもスペクタクルもこれまでのおさらい的な怒涛の畳みかけだし、ピクシー・ダスターズも助太刀とかしてくれればもう最高に燃えたんだけどなってのは楽屋オチ的な願望

テーマと世界観が一致してるからさぁストレートに心に訴えかけてくるのよ
失われた物、者によってアイデンティティを再確認するという物語が、主人公たちだけでなくあの世界そのものにも当てはまるわけよ
本当に価値あるものは自身の歴史にこそ詰まっていたんじゃないのかと
より良いものをと求めすぎて忘れているものはないかい?ってね
やっぱピクサーは脚本が分かりやすくて上手いんですよ…すぐ泣いちゃうのよ…
監督の作品の流れで言えば、お互いの弱さをお互いの強みで補い合う男二人組という点がモンスターズ・ユニバーシティと同じですね
今後もこの監督のピクサー作品には泣かされ続けそうだなぁ
テクノロジーが魔法同然の域まで来ていることの裏付けをするようなアイデアでもあるから、シンプルな人類万歳感も頑張れば汲み取れる

冒険ムービーとしても充分に楽しいよね
愛車があって、そいつが迎える結末もベタっちゃベタだけど胸を打つ
魔法系はそりゃワクワクするし、お宝探しなんだし
マンティコアの酒場というまさに冒険ファンタジーの醍醐味のような場所がああなってるっていうそれ自体がめちゃくちゃ面白いギャグだよな
マンティコア自身のキャラクターも愉快で楽しいし、お母さんとの女性バディは最高で、主人公兄弟に負けず劣らず好き
てかお母さんが既に新しい恋人と超いい感じで、その男と主人公兄弟の関係性が微妙に上手くいってないのとか割と突っ込んだ家族関係で話作ったのはすげえなと思ったし、安全運転とはいえ現代のエンタメレベルに高めてきてるとこもあるという恐ろしきピクサークオリティ


すげえなぁという感想です
こんなシンプルに分かりやすく楽しませて泣かせてくるって只事じゃないわ
好き