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決算!忠臣蔵のtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

決算!忠臣蔵(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

中村義洋監督作品(2019-11-22 公開)
主演は、堤真一、ナインティナイン岡村隆史。

脚本の土台は、東京大学 史料編纂所(文京区本郷7-3-1 本郷キャンパス内 赤門近く)にて、教授職に在られた、山本博文先生の著書、「忠臣蔵」の決算書による。

殿中の狼藉後の赤穂浪士の討入りまでを描く。

経理財務畑の自分からみると、吉本興業オールスターズ総出演という印象と、物価上昇等があまり加味されない、そんな江戸のお家取り潰しとなった浅野家の家老以下、浪士たちを、計算してそろばんづくて描く。

何をするにもカネは掛かる。

忠臣蔵と言ったら討入りのチャンバラと思ってみるとそうで無いので、その裏切りのストーリーは楽しめる。

結末は本作品を鑑賞頂いて、感じ取って欲しいが、
肝心の討入りした赤穂浪士四十七士は、
現在の港区高輪手前、泉岳寺にて祀られており、参拝が出来る。

高輪ゲートウェイより、も少し山手の岸部側でなく、陸地側。
高輪はひと山越えて、麻布、更に麻布永坂を登り詰めて、飯倉。
飯倉から坂をゆるりと下って虎ノ門、新橋方面と、
江戸の古地図などを現代版のマップとレイヤーで重ねて、楽しむのも有りかもしれない。

少しマニアックだけれど、江戸っ子が観ると、蕎麦の値段が異なるのは、脚本家による、赤穂浪士への田舎人を皮肉った話しに着地し、

脚本家が第二の吉良と思わせるのは、少しオチとしては関西風なあっさり目に思えた。

多少真面目な分析と感想を書くと、都会のネズミと田舎のネズミではないが、良い学者に当時なりの外様大名も禄高に応じて指南を受け、民からの年貢で生きるわけだが、

現代の企業経営と同じ。

非営利 #タガタメ を頑張る人も居れば、当時の江戸のように賄賂が横行し、
無事より政商となった町人の方が金持ちになってたこともあろう。

そこを糺したい浅野内匠頭の気持ちは分かるが、
会社と同じで、社内の常識が、社会では非常識になる事も。

場と己の分限、身分を弁え、上様を立てよ!は現代も同じだったり。

ただ、現代はもはや年功序列は無いし、真の実力主義。脳のない老兵は去るのみな訳で。

そこで裏金プールしたりして、迂回させキックバック得てると、文春砲に撃たれ、残念なスポーツビズに成り下がったり。

そんなだらしくした時流に、現代のような独立した会計決算を監査出来る仕組みを作るまでを、フィクションでも描き切ったら、
吉本版の異なる解釈とは言え、傑作になったのかも知れない。

歴史の史実を踏襲する事は、原作の史料編纂所への、当代随一の最高学府 東京大学 (旧帝国大学)への敬意も有ったろう。

難しいテーマに挑んだ頑張りぶりや演者の中に芸人さんも俳優をした既成事実を作れる、芸プロの力技を、まさに民の力を垣間見るに、面白さはある。

史実の四十七士の義士が本当はどうだったか?は描かれないのは、赤穂浪士ファンからすると不満が残るのかも知れない。

現代まで変わらないのは、当時から、赤穂の塩は、献上される良い品物として、人々が広く認めるもので、人の心に赤穂浪士の、守りたいものがあった思いは、生き続けることを、命を張って成し遂げたんだと、個人的には解釈をしている。

芸人さんのギャランティが、日俳連が30年掛けて労働闘争してきた、一現場最低価格7万円を下回る、労働協定崩しをしたのが、CXと吉本なので、そこから、そろばんはじきをやり直せるかい?!とは確認したいのが、役者仲間同士では、評価を下げる部分なのだろうなとは思う。

但し、作品は傑作。何より日本アカデミー賞受賞作。
芸人、俳優の垣根無く、史実に記録をマークした作品であったことに間違いはない。

忘れ難い一作でもあり、若い男子学生読モなどがうっかりドラマ映画にキャスティングされ、
再放送のリプレイ権のギャラ交渉を知らない、
ギャラダンピングに遭っている現状を憂う思いや、

配信者界隈が、そのイベントってクローズドショーで、世界5大ファッションショーには全く繋がってなくても、
地元経済にお金を落とす、言ってみれば地元のお祭りのランウェイであれど、

名誉称号から本気で世界に出て来れる実力者は、そのルートでは出て来ない現実を知ったものとしては、
年貢を取られ続けるお山の大将終いから応援も、芸プロが勃興するだけで、
万年イベント参加でお仕事取ろうとか、コロナ禍の辛さは感じる。

その前に演劇のお稽古してないから、万年エキストラのチョイ役で、一現場7万円のギャラを手に出来ないのは、日俳連や声優、音響事業者との連携を知らない、素人に変わりないから。

どの就職も業界研究が甘いと天下は取れない。

尊敬する大俳優で、親子二代の俳優一家に、勉強させて頂ける有難い場所にいても、

己は、言ってみれば個人事業主でしかなく、自己研鑽してハリウッド、世界へと
良い作品作りに生涯を捧げる事のみに真剣に注力する諸先輩をみるにつけ、甘い世界ではないよとは思う。

そんな憂う気持ちを感じせられた、業界関係者の、経理財務畑は、いたかも知れない。

作品の良さとは別に業界の未来に繋がったか?は
興行収益で動く部分はあるのと
吉本が一度上場廃止してプライベート企業となり、世界にエンタメコンテンツをデリバリーする企業を標榜してアイドルも育成するその方向性の実りを待ちたいと思う。
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