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決算!忠臣蔵のひろぽんのレビュー・感想・評価

決算!忠臣蔵(2019年製作の映画)
1.3
元禄14年の江戸。赤穂藩主・浅野内匠頭は、賄賂まみれだった吉良上野介に江戸城内で斬りかかり、切腹を言い渡される。やがて亡き赤穂藩藩主の仇を討つべく討ち入りの準備を進めようとした筆頭家老・大石内蔵助と勘定方・矢頭長助は、討ち入りのための予算が限られているという厳しい現実に直面する。予算の都合で、仇討ちのチャンスはたったの1回。予算内での討ち入りを果たすべく、計画を進めようとしていく物語。


江戸時代中期の元禄14年(1701年)に江戸城内において播州赤穂藩の藩主・浅野内匠頭が旗本の吉良上野介を切りつけたとして、赤穂藩主の浅野内匠頭が切腹に処された事件と、翌年の元禄15年(1702年)に家臣たちが浅野内匠頭のかたき討ちのため吉良邸に押し入り、吉良上野介を打ち取った「赤穂事件」を題材にしたという「忠臣蔵」という有名な題材に、お金という斬新な切り口で展開していくお話。

そば1杯
十六文=480円
一文=30円
この物語では現代の金額に換算された金額が常に画面に表示され、どのくらいの金額が使われているのかが明白になっておりイメージしやすい。

藩は会社の様なもので、武士はサラリーマンと変わらず、現代の会社の運営を見ているかのようだった。

武士にも「番方」と呼ばれる戦を担当する者と、「役方」と呼ばれる経理を担当する者で分かれており、今作は役方視点での忠臣蔵が描かれる。武士はみんながみんな戦うわけではないという事を初めて知った。

お家再興に力を入れるか、討ち入りをするかという2択に迫られるがお家再興の望みが絶たれ、討ち入りを決意する。

討ち入りをするにもお金が必要で、その予算はなんと9500万円。多いようにも見えるが、江戸までの移動費用、武士たちの生活費、武器や防具の準備等と何かと出費がかさむ。お金の使い方も知らずに呑気にお金を使いこんでしまう者と、予算を間に合わせようと奮闘する者とが入り交じり、てんやわんやしながら計画を進めていく。

リストラをして切り詰めたり、予定日よりも早く討ち入りを決行することで予算を浮かせようと奮闘していく姿は、現代の会社と何ら変わりないなと思った。

時代劇モノをあまり観ないから忠臣蔵や赤穂浪士の事をこの作品で知れて良かった。

正しいことのためには自己犠牲を厭わない赤穂浪士たちの勇姿と覚悟は素晴らしかった。

逐一画面に金額が表示され現代の通貨に算出して支出を表現して討ち入りを予算内に収めようと奮闘していく設定は斬新で面白いと思う。ただ、作品としてはお金がメインで扱われているため、討ち入りの直接的なアクションの描写などがなく物足りなかった。最後の終わり方もキッチリとしてなくイマイチ。

キャスト陣はとても豪華で演技を見ているだけでも楽しいと思う。その反面、キャストに予算を使いすぎたせいか、予算ギリギリで作りました感が凄い。

冒頭に少しだけしか登場しない阿部サダヲのインパクトの強さが凄まじい。

歴史を勉強するには良い作品だと思うが、コメディの娯楽作品として見ると面白くはないと思う。
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