喜連川風連

HELLO WORLDの喜連川風連のレビュー・感想・評価

HELLO WORLD(2019年製作の映画)
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既視感のある映像表現をセカイ系の文脈で再構築。

冴えない男が窓際の可憐な少女を救ったら世界も救われてしまった系。

東宝らしく過去のヒット作を研究し、売れる要素てんこ盛りだった。

・MVのように日常パートで髭男を使う(君の名は。)
・ツンデレのヒロインが実は自分と同じ趣味で1番の理解者になる
・主人公が師匠に導かれ、旅をし成長し、最後に師匠を失う。(スターウォーズ)
・淡い光の表現とポスター(インスタ映え)
・エンターキーの連打(サマーウォーズ)

時折、圧倒的な色彩感覚が画面いっぱいに広がるシーンがあるが、優秀なスタッフによるものだろう。

だが、モブキャラのデザインがほぼ主人公と同じで表情の豊かさに欠けてしまっている。
→記録を基に再構築された世界であることを表現するためだろうか?

スクールカーストが存在しない。
主人公含め出てくるのは「キャラクター」でしかなく「人間」が出てこない。

リゼロの時も気になったが、ヒロインの笑顔のアップショットで画面をキラキラにしてしまう表現がくどすぎてあまり好きではない。

歩道橋が飛び交うシーンや「京都」を効果的に使った演出は良かったものの、SAOの時からこの監督の作るものはどこか小手先で好きではない。

このような表現の抜け殻で大ヒット作を作れるほど、観客は落ちてはいない。
喜連川風連

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