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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのshunのレビュー・感想・評価

3.0
2時間越えの鬼ごっこをエリザベス・オルセンの魅力で持たせてる感じ。

個人的には途中で出てきた何人かの好きなキャラ&俳優が超雑に扱われてしまったので悲しすぎます。
製作陣からしたら「ファンの期待に応えて出したぞ!」って感じかもしれないけど複雑な気持ち…
マルチバースだからといって何やっても許されるわけではないっていうのは映画内のキャラだけでなく作り手にも当てはまることだと思う。

エリザベス・オルセンの熱演には脱帽。正直彼女のベストパフォーマンスと言っていいかも。

サム・ライミは「ワンダヴィジョン」を全部は観てないそうで。それってどうなの?あれを観てなきゃ分からない映画なのに監督自身は観れてないって…


アメリカ・チャペズさんコミックにいるとは言え名前どうにかならんかね。毎回毎回「アメリカ」って呼ぶの政治問題と絡めてるように聞こえてしまって笑っちゃう。「エイミー」とか「リカ」でいいじゃんと思うのだけど。それともレズビアンの両親の元に生まれたラテン系の少女を“アメリカ”と呼ぶことに何か意味を持たせたかったのか…






以下ネタバレです


まあ「ワンダビジョン」の位置付けをちゃんと考えて作らなかった製作の責任は大きい。
幼少期からずーっと苦しんでるワンダを描いてきた訳だけど結局彼女の物語はそこに行き着くの?なんの救いもない苦しすぎる終わりに魅力を感じることができなかった。

この映画がやりたかったのは「今の自分のままで満足しろ、叶わぬ夢は見るな、愛など諦めろ」っていうことなのか?
それでいうとウォンは模範生ですね。

ワンダは一つの町の住人を洗脳して自分の傷を癒すためにほぼ奴隷として監禁してしまうところまで自分を追い詰めてしまっていた。それを「ワンダビジョン」で描いたんだったらせめてそれに触れるか彼女がその苦しみに向き合う展開にするとかできなかったのか?


最愛の人を自分の手で殺してしまった事実が他の人に理解できるとは思えないけどアベンジャーズ含め誰も彼女に救いの手を差し伸べなかったことも悲しい。
そういえば今回は子供ばかりでビジョン全然出てこなかったな。白ビジョンどうした?

生まれてから幸せを全て奪われ愛に飢えた女性が暴走して結局自分の間違いに気付き自死ってこんなストーリーあるか?

劇場で見てる時はオルセン姉さんの活躍で感動っぽくなってたけど考えれば考えるほど報われない、ただただ絶望しかないなあ。


あとはついにイルミナティ来ましたね。

大大大好きヘイリー・アトウェル演じるキャプテン・カーターの登場は予告されていたものの嬉しい。まあこの人はスクリーンで見れるだけで幸せなんで。

数年前に「インヒューマンズ」観といてよかった。これでMs.マーベルが原作通りインヒューマンである可能性が一気に増えましたね。今作を観る前はまだMCUでちゃんと紹介されてないインヒューマンズ設定を変えてミュータントかただの超人にでもするのかなあと思ってたけどいよいよ合流か?そうなるとクェイク始め他のインヒューマンズ登場の希望が見えてきた…

そしてチャールズ爺さんとクラシンスキー。いよいよミュータントとファンタスティック・フォーも合流かな。奥さんはエミリー・ブラントで有りますように。

上述したけどあまりにも彼らの死が呆気なさすぎた。別のユニバースってのはもちろん分かるけどただただワンダの無双っぷりを示すために連れてきたのかと思うと悲しい。今後の作品での可能性を広げるって示したいんだったら殺さなくていいし。これで今後彼らが出てきても「ああワンダに瞬殺された人ね」ってなると思うとね…
これまで「XMEN」の映画や「インヒューマンズ」で多少なりとも積み上げてきたものがあるわけで、それをハエを払うかのように一瞬で崩されるのはいい気持ちはしない。

正直こういうキャラの使い方は「ノー・ウェイ・ホーム」観てから大体予想はできたけどそれでも好きだったキャラや俳優がこんなふうに馬鹿にするような殺され方されちゃうと悲しいですね。
デアデビル始め他のネトフリ世界の住人や「エージェント・オブ・シールド」の面々、「ギフテッド」の仲間たちの合流も続くと思うけど彼らがこれ以上「マルチバース」をの名の下に軽んじられることがないよう祈ります。
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