アタフ

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのアタフのレビュー・感想・評価

4.1
サム・ライミ監督によるMCU最新作『ドクターストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が遂に来ました!!
もう、タイトルがワクワクするよね、確か3年ぐらい前にマーベルが発表した今後公開されるフェーズ4一覧にこのタイトルがあり、当時の私は「なんかヤバそう!!」とたいそうワクワクしたものです。あれからもう3年かぁ~~~早いなぁ…

ということで期待を抱きながら鑑賞したわけですが、これがまあサム・ライミらしいホラーテイストを組み合わせつつ、テーマでもあるマルチバースの世界観を余すことなく表現したまさに"マッドネス"な作品でした。
今作の悪役であるスカーレット・ウィッチをホラー映画における魔女のように演出しており、今までの彼女の印象からは想像できない動きをします。特に鏡から出てくるシーンはマジでホラー映画でしたね。。。また、ある展開にゾンビを使用する辺りもサム・ライミならではの演出でしょう。私はこういうある種型のある映画(この場合ヒーロー映画)に監督独自の個性、作家性を注入しているような作品が大好きです。例えば、『ジュラシックワールド/炎の王国』ではジュラシックパークという恐竜映画にフアン・アントニオ・バヨナ監督のホラーテイスト注入した独特の作品だったと思います。どうやらあまり評判は良くなかったようですが、私としては恐竜をホラー演出で描くこの作品はとてもお気に入りの1本です。
そもそもドクターストレンジの世界観とホラー演出というのはやはりマッチしているとも思いますので、サム・ライミに任せたのは正解なのかなと。

MCUでの位置づけとしては『スパイダーマン/ノーウェイホーム』の以降の話であり、同様にマルチバースがテーマとなっている。今後もこのマルチバースがキーとなる話が続くと思われます。
MCUもフェーズ4まできた現在、今までのストーリーや多数のキャラクター、また世界観や概念など前提とする知識が膨大にあり、さらに様々な世界線が交差するマルチバース展開となると、今後ついてこれなくなる人も多くなってくるのではないかとの懸念しております。今作でも、MCUのドラマ作品『ワンダ・ヴィジョン』の展開が絡んできており事前学習が必要となってきます。まあ見ていなくてもギリギリ分かる程度ではありますが、見ておいた方が確実に良いのは言うまでもありません。特にスカーレット・ウィッチに対しての感情移入度と言った点では確実に見ておいた方がよいでしょう。ちなみに私は不覚にも『ワンダ・ヴィジョン』を見ていなかったので所々"?"なところもあり、見ておけばよかったと後悔。
(マルチバース展開になるだろうから『ロキ』は事前にちゃんと見ていたんだけど、確実に『ワンダ・ヴィジョン』を見ておいた方がよかったです…)

もはやMCU完全に一見さんお断り状態であり、ここから後追いすることは可能なのだろうか…?ちょっともう無理だよね。

過去作品の鑑賞を前提としている内容やマルチバースの展開で映画としてははっきり言ってごっちゃごちゃであり、まとまっているとは言い難いです。ただ、怒涛の展開とまさかのサプライズ等で全く飽きることなく楽しめましたし、当然ですがMCUファンであれば必見の内容。見て損はない!!


ネタバレ部分についての感想はコメント欄に記載しました。
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