マレーボネ

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのマレーボネのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ドクター・ストレンジMoMサム・ライミ色強すぎwっていうスキを残しつつ、ストレンジとワンダそれぞれの業を一貫してかなりヘビーで切実なものとして描いていてめちゃくちゃ見応えがあった。あと🧟も含めて戦闘のワクワク度は過去最高レベル。

サム・ライミ色強かったね。
公開直後のツイッターで「死霊のはらわた」がトレンド入りしてたの完全に理解できた。
正直ホラー演出に関しては、ストレンジや特にワンダの闇の深さや畏怖の表現として的確だったと思うのが半分、ちょっと過剰すぎて違うことになってない?(イルミナティの殺られ方とか)って思うのが半分って感じだったので「サム・ライミ色強すぎw」で落ち着くのがベストな気がする。
もちろん破綻はしてないので、そこはさすがって感じなんだろうな。

ストーリー面は基本的に前作と同様、独善性とそこからくる業が描かれていて、ドクター・ストレンジっていうキャラクターの根底にあるものなんだろうけど、今回はそこにワンダが加わることでより切実さが浮き彫りになり、さらにあったかもしれない可能性=マルチバースの概念も必然性を生んでいて、一貫したテーマを深掘りする続編としてはかなり見応えあるものだった気がする。

闇堕ちしたワンダはめちゃくちゃ強くて悲しい良ヴィランだった。
ストレンジの新作にワンダが出てくるって発表されたときには魔法以外の共通点がピンと来なかったんだけど、ところどころハッとさせられたな。
思えばワンダがヴィジョンのストーンを破壊したことが無駄になってしまったのは、あの時点でストレンジがタイムストーンを渡してしまっていたからだし、ストレンジがメスを握ったことで割りを食った側としてワンダは適任だったんだな。
中途半端に救われたり許されたりせずに結末を迎えたのもよかった。やることは非情だしゴーストにも「殺人者」って責められてたし。最終的に「そりゃそうだよ」ってところに帰結するんだけど、それに気づけないほど息子たちに執着していたっていう人間らしさが切なくてよかった。

フェイズ4では繰り返し「もはやヒーローはヒーローではない(いられない)」っていうのを提示してるんだけど、今作のワンダでその辺は極まった感があるな。

ファルコンやチャベスやシャンチーやケイト・ビショップとかもたくさん揃ってきたのでそろそろ新しいアベンジャーズに向けて進路変更してくれたらうれしいな。

ビジュアル面は本当に最高だった。
スパイダーマンNWHでの異空間描写すごかったけど、今作では加えて魔法と体術を組み合わせたスタイリッシュな戦闘や、それをもってしても苦戦するグロカッコいいクリーチャーとかとにかくめちゃくちゃワクワクしたね。
結婚式場から変身しつつ飛び降りるシーンとかカッコよすぎた。
ゾンビも見てたらめちゃくちゃカッコよく見えてくるし。
最高でした。
マレーボネ

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