せっち

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのせっちのレビュー・感想・評価

4.2
今までのMCU作品と比べて異彩を放つホラーテイストすぎる一作。遂に本格的にマルチバースの扉が開かれるが、予告でストレンジが頼ったワンダがまさかそこまで堕ちてるとは…。ダーク・ホールドに手を出す事でマルチバースに触れる一方、闇の力に飲み込まれていく。そこからの救いの物語かと思いきや、ワンダはスカーレット・ウィッチとして完全に敵である。

かたやストレンジは予告を見る感じ「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」での出来事を責められるのかと思いきや、ストレンジの人間性に対して非難さてれいる。たしかに大多数を救う/大きな目的の為に1人の/多少の犠牲は厭わないというスタンスは合理的である一方非情でもあると言える。現に別の世界のストレンジは闇落ちした個体もいた。

そして物語の鍵を握る新キャラアメリカ・チャベスは制御できないネクサス・ビーイングの力を狙われ続けるが、最後はストレンジとの信頼関係の上、その力を自分のものにする。ここでのストレンジの決断はそれまでの彼の合理的な考え方とは異なり、「他人を信頼して任せる」という人間味のある進歩をしている。

結局ワンダはあのまま終わりなのだろうか。ポストクレジットシーンのその後も気になる。そして何より、本作では「イルミナティ」として登場したマルチバースのヒーローたちは何よりも嬉しいサプライズだが、今後の展開にも大いに期待したい。
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