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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのせのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

遂にMCUに参戦したサム・ライミの『ドクター・ストレンジ』。
ホラーテイストになるとは聞いていたがまさかワンダちゃんが貞子のような動きをし始めるとは思わなんだ。
そして前作で異彩を放っていた異次元を感じる戦闘は激減したため、個性をサム・ライミらしさに殺されてしまった感が否めない。

『ワンダ・ヴィジョン』もワンダちゃん自身も好きだったので本当に本当に苦しい話だった。
なるべくしてなった納得の展開ではあったし、そうなってしまった以上もう行き着く場所も限られているのは分かっていたけれど、それでも彼女がヴィジョンと幸せを掴める未来が見たかった。(彼女はヴィジョンを諦めたのだろうか、全く出てこなかったが)
『ブラック・ウィドウ』からの『ホークアイ』も似た悲しみを感じる流れだったが、何だかんだコミカルだったり雨降って地固まったと思えたので気落ちせずに済んだ。
しかし流石に今回は辛すぎる。
間違った道を進んでしまったと後悔し償いと自死を選ぶなんて、そんな退場してほしくなかった。
やはり愛は執着を生み、執着は喪失を招き、喪失は怒りへと変わり、怒りはダークサイドの力となるのですねマスター・ヨーダ…。

気になった部分は設定等の整合性だ。
マルチ・バースになってしまった影響がどの段階からどの程度どこにあってのこのシナリオなのか説明が全くない。
理屈や理論よりもドラマを優先させたのかなと思うが、そのせいで頭の中にいくつものクエスチョンマークが浮かんだまま次の作品を見ねばならなくなっている。
いつかこの皺寄せが致命的なものになりそうな予感がする。

1つだけ非常にワクワク盛り上がれた要素があるものの、それも今後MCUを更に敷居の高いシリーズにしそうな形なので手放しでは喜べず。
なんともはや。
せ