ねこねここねこ

黒い司法 0%からの奇跡のねこねここねこのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.6
以前に観たことがあるので2回目だけど、やはり面白くて一気に観た。
初めは弁護士のブライアンが実在の人物だと知らずに観はじめたけど、面白くて一気に観た作品で、久々の良作。
2回目でもやはり自然と涙が溢れてくる。

「残虐で不公平なのはデータや統計ではなく、人間そのものだという事実を知って、変化を起こしてほしい。希望を持つことが重要だ」
「世界を変えたいなら不都合も受け入れるべきだ」
これはブライアン本人の言葉。

こんな理不尽がつい最近まで、いや、今でもまかり通っているのだという事実に直面させられた映画。
未だに根深い黒人への差別。死刑執行の時だけ刑務所の中で人としての尊厳を与えられ、配慮されるのもおかしな話だ。

この作品では黒人差別がテーマだけど、実際警察からこいつが犯人だ(犯人にしなくてはならない)と決めつけられたら、あらゆる証拠は捏造され、警察にとって不都合な事実は隠蔽され、真実を話そうとする者は脅やかされて黙るしかなくなるのではないだろうか?特に権力者がそう望めばもう太刀打ち出来ないのかもしれない。
全然次元が違うけど、今期のドラマ「エルピス」がそう。

それでもどんな理不尽な仕打ちにも逆上したり絶望したり、投げ出したりせずに、何か方法があるはずだと希望を捨てずに闘い続けるブライアンの姿に周囲も希望や力をもらえるのだと思う。
俳優陣の演技も良かった。もっとたくさんの賞を受賞してもおかしくない作品。