TooruHirono

黒い司法 0%からの奇跡のTooruHironoのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.3
黒い司法 0%からの奇跡/2020年/アメリカ

この時代に起こった実話に基づく映画を見ると、平然と行われている黒人差別にうんざりするけれど、当たり前に日常で起こっていた出来事であるのは公然の事実で、今もそれを支持する人が一定数いることに悲哀と憤怒の思いが湧いてくる。日本ではこのような差別がないことを信じているが。。。

1980年代、黒人の差別が未だに根強く残る米国アラバマ州。なんの罪もない黒人男性ウォルターは、殺人罪の犯人に仕立て上げられ、死刑宣告をされる。新人弁護士のブライアン(この人も黒人)が立ち上がり、彼の弁護を引き受け進めていくが、多くの誹謗中傷や妨害行為が行われ、挫折する中で次第に協力するものも現れ始め、確立が限りなく0%近い判決が果たして下されるのか。

日本で暮らしていて、全く関係のない人間が嘘の証言と不平等な裁判で起訴され、死刑判決を受ける。こんなこと、考えられないんだけど、今や世界の先進国のようなアメリカで、それもたった40年前に実際に起こった事件を基に制作されたのだが、【ヒューマンドラマ】などとジャンルを区別してはいけないほど悲惨なストーリーだった(O_O)

今回この黒人弁護士を熱演するのが「クリード チャンプを継ぐ男」「ブラックパンサー」のマイケル・B・ジョーダン。筋肉がとてもきれいで、もううっとりするような鍛えられた体と情熱的で迫力な演技力は、文武両道を兼ね揃えた最近では1推しの俳優さん。監督は大好きな「ショート・ターム」のデスティン・ダニエル・クレットン。
同じく「ショート・ターム」から合わせて3度目の出演となるブリー・ラーソンが、法律事務所に勤めて弁護士を手助けする女性を力強く演じた。

基本的に全編ほぼ不条理、最終的に死刑判決が覆られなかったら〈ダンサー・イン・ザ・ダーク〉&〈ミスト〉状態。

でもね、多くの罪もない黒人のみなさん、裁判もろくに開かれずに死刑になった方々は、

歴史にも残らず、
映画にもならず、
人にも知られず、

殺されていったのでしょうね。

こんな歴史は絶対に繰り返してはいけない。

そのための実録として多くの方に鑑賞してほしいと心から思う。
#Filmarks
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