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黒い司法 0%からの奇跡のkassyのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
3.8
試写会にて。

1980年代、黒人差別が根強いアラバマ州で新人弁護士ブライアンが差別により死刑囚とされたマクミリアンを救おうと挑んだ実話に基づいたお話

黒人に対する酷い扱い
杜撰な捜査
強引な裁判
冤罪ばかりの死刑囚達

本当にひどい話ばかりだが実話だ。
でも誰かが戦って、誰かが手を差し伸べて一歩ずつ変えていくしかないのだと思わされる。これがたった30年前の話なのだからおそろしい。
正義を信じる中で、権力の前に絶望に落とし込まれる。この絶望感が、登場人物達と同じくして絶望を味わうことになる。ツラい場面が多いが最終的には良い話だし、観ることが出来て良かった。
絶望の中で諦めないブライアンの姿が、死刑囚達の何よりも光だろう。

特に脇役の演技が凄くて見応えあり。
とにかく死刑囚ハーブを演じたロブ・モーガンとマイヤーズを演じたティム・ブレイク・ネルソンがすごい…
ハーブのシーンは涙無くしては見れないし、マイヤーズはご本人そっくりすぎてギョッとした。ちなまにジェイミー・フォックスもなかなか似てる。
主演のマイケル・B・ジョーダンは、ちょっと新人弁護士とはいえ可愛すぎるかもしれないが、真っ直ぐな好青年を演じきった。時折出てくる隠しきれない肉体美。

デスティン・ダニエル・クレットン監督常連のブリー・ラーソンの役は彼女である必要はよくわからなかったが、まぁ友情出演みたいなものかな?

裁判の根回しややり取りが大変なだけで、局が動くのはやけにあっさりしているのは、真実だからなのだろう。
悲しいほどに重たいものを動かすときは、一瞬なのだ。真実はそれしかないのだから。
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