gladdesign

21ブリッジのgladdesignのネタバレレビュー・内容・結末

21ブリッジ(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

真夜中のニューヨーク・マンハッタンで強盗事件発生。警官が多数殺される惨事が起こった。犯人を追い詰めるため、マンハッタンにかかる21の橋全てを封鎖する、という設定だけで観たくなる。

主人公・ニューヨーク市警の85分署デイビス刑事は父が警察官だったが殉職した過去をもつ。つまり警官殺しには人一倍敏感に反応する、という印象を視聴者に持たせながらも、デイビスは二人の犯人の内、一人を「殺さずに」捕まえようとする。だがなぜか85分署の他の警官は犯人を射殺しようとする。こうした「ちょっとした違和感」をチラ見せしつつストーリーが進んでいくところがうまい。

最後に犯人が捕まって一件落着、なわけがなく、実は・・・という伏線回収もアクションを絡めつつあり、「本当の正義とは何だ」を問う、良作。

アメリカ特有の、二大政党政治がもたらす、インフラの貧弱さが生んだ悲劇とも言える。治安・消防・医療・教育など、長期にわたって安定的な指針のもとに整備しなければならない社会インフラ系が、二大政党政治であるが故に安定せず、結果的に貧弱なまま置き去りにされているという社会構造を知った上で見ると、なるほどそうなる可能性はあるよね、という感想も抱かざるを得なかった。

あらためて、正義とか正しさというものは、絶対的なものではなく相対的なもので、思ったほどしっかりとはしていないというか、フワフワとした頼りないものなのかもしれないと思った。
gladdesign

gladdesign