Morohashi

犬鳴村のMorohashiのレビュー・感想・評価

犬鳴村(2020年製作の映画)
2.5
わりと結構怖い気もしたけれど、よく思い返してみるとビックリ系の怖さ。
個人的には得体の知れない民俗学とか、昔から伝わる意味不明な歌とか、そういうものに恐怖を覚える。それは、同じ人間のはずなのに自分の考えが通じないかもしれないという怖さがあるから。


映画的な評価が低めなのはおそらく2つの原因がある。
1つは最後のシーンの意味。奏がああいう描かれ方をしたことに一体どんな意味があったのだろうか? そもそもあれは必要だったんだろうか。
最後のあのシーンがなければ、もっとスッキリと帰れたんじゃないかと思う。あれのせいで「え? 結局どういうことなの??」ってなってしまった。

もう1つは、いろいろと一貫していないこと。
怖がる対象が幽霊なのかゾンビなのか。奇病なのか歌なのか憎悪なのか。いろいろと怖がる対象があって、結局自分が何に恐怖を感じているのかわからなくなる。
また死に方がバラバラなので、一貫したメッセージは感じづらい。ストーリー的には水が結構大事な要素のはずなのに、溺死したケースは1つだけ。お風呂に入っているときに足を掴まれるとか、プールに入っているときに足を掴まれるとか、そういうシーンがないと整合性がつかない。飛び降り自殺も一貫性がない。

また個々のエピソード同士のつながりにおいて、起伏がとても少ないのでかなりのっぺりした印象。若い夫婦のエピソードがかなりあっさりと描かれていた一方、トトロの森のように犬鳴村に行けたり行けなかったりの仕組みが不明瞭。

ところで最後に「Shot on RED」っていうクレジットを見て妙に感激。
このホラー映画にそんなガチなカメラで…と。
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