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犬鳴村のarinのレビュー・感想・評価

犬鳴村(2020年製作の映画)
3.5
飲み会ムービー

清水崇は悪い夢のようなイメージ作りに長けたフィルムメーカーである。本作でも、ゾッと鳥肌が立ち、悲鳴を上げたくなるような怪奇映像が満載だ。特に「飛び降り」「公衆電話」のシーンは怪奇さ・珍奇さに置いて飛び抜けている。

一方で、脚本は冴えているとはいいがたい。単調な会話は、聞いていてうんざりさせられるし、登場キャラクターの行動の数々にも疑問が残る。ストーリーは、怪奇映像を要所要所で見せるためのレール以上の役割を持っていない。しかも、ところどころで歪んだり、錆びついたりしたずいぶん危なっかしいレールだ。

それでも、映像のできは、脚本の欠点を補ってあまりある。ストーリーの深読みや考察は諦めて、仲間と宅飲みするときなどに流し見するぐらいが丁度いい。きっと盛り上がるに違いない。
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