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火口のふたりのminのレビュー・感想・評価

火口のふたり(2019年製作の映画)
3.0
最後の富士山のくだりがなかったら3.8〜4ぐらい。てっきり、結婚を反故するための方便かと思いきや、まさかの現実だった。
その瞬間、主人公の2人よりも、いきなり結婚が無効になり任務へ赴く人のほうに意識がいってしまい、映画の世界から現実に戻され、むしろ後腐れなく任務に当たることができている…と、結婚の反故がポジティブな方に作用してほしいと願ってしまった。

私は父方の郷里が秋田なのだけれども、この映画全てにおいて秋田感が良く出ていた。この映画を作成するなら、間違いなく47都道府県の中でも秋田だ。(それを良しとしない秋田県の方がいらしたらごめんなさい。)関東育ちの私には今でも不思議の国の秋田だけれど、古今の境、彼岸の境、黎明の境、秋田に潜む様々な境を改めて認識した。

その地に住まえば当たり前のことも他所の人間には新鮮で、これらの境を肌で知り今を生きるに至るのだと思う。人生において一般的尺度で順風に見えても境で迷子になっている人はたくさんいる。その逆もまたしかりで、主人公の二人は境迷子ではないが、一般的尺度のほうで迷子だ。どちらが幸せなのかは私にもわからない。
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