とむ

AI崩壊のとむのネタバレレビュー・内容・結末

AI崩壊(2020年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

決して悪くは無いけど、
「22年目の告白 私が殺人犯です」に比べるとどうしても手癖というか、AIの暴走ってテーマを与えられた脚本家が「書ける範囲の発想で脚本を書いちゃってる」感は否めないかなぁ。
起きている事象の規模は大きいのに、実際展開してくストーリーがこじんまりしちゃってるかなって印象。

赤ん坊を「今すぐ殺すべきです」的な展開とかは無機質な機械ならではなゾッとする描写で良かった。


前述の「22年目の〜」は、韓国原作の映画を日本サスペンスとして120%の形でリメイクしてくれたし、映像的な工夫もなされててすごく楽しめたんですけど、今作に関しては予想を覆される展開がほぼほぼなかったんですよねー
ラストの相手をはめるシーンに関しても、「いや独白するシチュエーション杜撰すぎるだろw」と…笑
何なら周りの部下たちも「え!?」みたいな表情しちゃってるし。

ラストのプログラムコードを直接カメラに読ませる展開は「そんな一部で良いの!?」って逆にサプライズでしたが…笑


真犯人の取り調べ?的なシーンで「AIの暴走する時代はそのうち来るよ」的な独白描写は蛇足ですよね…
「22年目の〜」の空港や病院でのやりとりもそうでしたが、なぜ入江監督は最後の最後で余計な描写を入れてしまうのか…

あとサーバールームの娘を何度も見せるの、
多分最後まで生きてるんだろうな〜って思わせちゃうから、少なくとも落とした写真を見つけて以降は映すべきでは無いと思う。


あとはほとんどの人が触れてるけど、
予告編を見て受ける印象が「プラチナデータ」と酷似している点もちょっと残念かな…
それってつまり、同じようなテーマで映画を作るにあたって目新しいものがないってことですからね。


ただ、画的なショボさや予算の都合を感じさせるような「まぁ邦画ってこうだよね… 」的な残念な部分は少なかったですね。
映像技法の手数やそれを用いるロジカルさと、シネフィルならではな観点をもった入江監督なので、こういう観客に投げかけるタイプの映画よりは素直なエンターテイメント映画の方がビッグバジェットを作る上では向いてるんじゃ無いかなぁと思いました。
もちろん、低予算(自主制作)映画の技量は前提として。

そういう意味では、シェシェシェの娘と聖地Xはかなり楽しみです。
とむ

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