うえびん

シークレット・ヴォイスのうえびんのレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
3.8
2019年公開
スペイン・フランス合作
原題:Quien te Cantara(誰があなたに歌いますか)

お隣のフランスや、海を挟んだイギリスの映画にはよく出逢うけれど、スペインの作品はめずらしいと思い鑑賞。

国民的歌手のリラ・カッセンとシングルマザーのヴィオレッタ。

二人の人生、母と娘の物語が重なり合い交叉してゆく設定が面白い。歌と音楽、自然の風景、少ないセリフと間、3つの描写が入り混じり、静かな作品の中に人間の激しい情動が感じられる。話が突然飛んでしまう印象があるんだけれど、その隙間を、歌と音楽がグイッと強引につなげてしまう。

海の向こうに何が見えるのか、海の中に何が潜むのか…。

スペイン国に漂う抒情なのか、カルロス・ベムルト監督がもつ個性なのか、抒情歌や演歌のような独特な世界観に浸れる作品でした。
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