ブタブタ

シークレット・ヴォイスのブタブタのレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
3.8
『マジカル・ガール』のベルムト監督作品なのに日本では〈未体験ゾーンの映画たち2019〉での限定公開だけとは腑に落ちない。
東京国際映画祭で大評判の新作『マンティコア』が兎に角早く見たいのでその前に改めて鑑賞。

『シークレット・ヴォイス』もまたマジカル~に続き女性(達)による破滅的運命へと至る愛と憎しみのギリシャ悲劇の様なお話し。
ラスト15分からが本番とも言うべき、ミュージカルでもないのに劇中人物が突然歌い出しでセリフなしでクライマックス迄行くって盛り上がる。
そういえばラブライブ第一話のラストもこんな感じの衝撃だった。
日本大好きベルムト監督ですが今回は作中にはそんなに日本趣味はない。
検索エンジンがGoogleでなくRampo!だったくらいか。

シングルマザー・ヴィオレッタの無職娘マルタのクズっぷりが白眉である。
本当に人がブチ切れた時は「怒り」でなく「無視・無関心」になるよね。

10年前に突然引退した国民的歌手って色んな歌手をイメージしてるらしいけど日本の「ちあきなおみ」も入ってるとか。
最初と最後が同じシチュエーションのシーンで円環の構造というか、最初と最後でリタとヴィオレッタが入れ替わってる途中でメビウスの輪みたいに捻れた円環の構造というか、ヴィオレッタはリタと一体となって名は残したかも知れないけど新たなリタが誕生する為には三人もの女性の死が関わってるのはどうしようない悲劇でしかない。
またも見る者の心を抉る作品を作るベルムト監督ですが兎に角『マンティコア』が見たいので早いとこ日本正式公開して欲しい。
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