Yuki10

シークレット・ヴォイスのYuki10のレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
4.3
表舞台から姿を消した記憶喪失の国民的人気歌手リラが自分を演じる他者に同一化していく境界の揺らぎが面白い。
『仮面/ペルソナ』的なアイデンティティの危機をファンでありリラのように歌うビオレタによって少しずつ浮き彫りにし、求められる自分と本来の自分に混迷する様子が最高。
アーティストや歌手としての人生を歩む場合、自己をめぐる問題は深刻な気がする。
不穏な映像美やヒステリックな娘との厭な会話劇も好き。
無残な死体だけで自殺シーンを見せない演出が素晴らしい。
歌詞内容がそのまま人物像に当て嵌められ伏線が収束するラストも満足
Yuki10

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