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シークレット・ヴォイスのmeltdownkoのレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
4.5
私を私たらしめるものは何か、という問に対する解を導出するためのリーディングの巧みさ。私であることを他人から学習することは可能なのか、学習されたそれは本当に「私」なのか。私はなぜ歌うことを始めたのか、あるいはやめてしまったのか。これらの問は反転すればそのまま、私はなぜ歌うことをやめるのか、あるいは再度はじめるのか、という解になっていて、全てを交錯させつつ2点に収束させていく設計の巧みさに思わずため息が出る。前作「マジカル・ガール」のようなフックには欠けるとはいえ、カルロス・ベルムトの新作がロードショーではなくこういう形でしか上映されないことを何とも残念に思う。
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