Aya

シークレット・ヴォイスのAyaのレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
3.5
#twcn

「マジカル・ガール」で日本でもファンを獲得したカルロス・ベルムトの新作。
ヒューマントラストシネマ渋谷での未体験ゾーンへ行って参りました★

いやーこの監督、長編3作目にして、すげえスペインで大切にされてない??

スペイン人監督って、今が過渡期なのか、亡くなった名監督か、2、3作目の若手監督の2択ってイメージがある。
もはやスペインといえば、一番元気なのは変態ホラーでは?!

この監督は確実に変態ではあると思うのですが(?!)ホラーではなくて、スリラー?サスペンス?ともジャンルわけしがたい作風がもう「マジカル・ガール」確立されたじゃないですか?!

記憶喪失になった大人気歌手、リラ。
10年の空白期間を経て再始動する矢先の出来事だった。
自分のことも歌も何も覚えていない・・・。

そんな彼女をなんとかステージに立たせるため、ステージままのようなマネージャー、ブランカはカラオケ店でリラのモノマネ歌手として働くヴィオレッタに自分の歌を忘れてしまったリラにレッスンをして欲しい、と頼む。

本物なのに本物になれないリラと、本物ではないけど、素晴らしい歌を披露するヴィオレッタ。
そしてヴィオレッタのクソ娘マルタ。

女たちの葛藤が渦巻く中、コンサートの成功を目指し秘密裏のレッスンが始まる。

これ面白いわー。
一緒に見た方が「今年ベスト1」言うてましたけどw
もう居た堪れないほどジリジリくるのが「マジカルガール」と共通して、ものすごく嫌な感じとも、希望を感じるともなんともいえない気持ちにさせられる。

それがね、ストーリーを見ている間はミステリ展開にハラハラして、どう転ぶの?!と一種のエキサイティング状態になるのに、ラストではっ!とし、この2時間にハラハラドキドキしていたことが、無意味なものに感じさせられるほどのドンッとくる一発をかましてくる。

これってかなり持ち味、ですよね〜♪

途中に記憶喪失のリラが頑張って、元のリラのように歌を練習するのがダサい!と自暴自棄になって、先生のヴィオレッタがそんなことないわよ!と言いながらも、マジ究極にダサかった件ww
ダサ可愛い!!!

かかりまくる歌もかなりセンスいい。

作中に折り紙が出て来たり、やはりこの監督は日本文化に興味がある人なのかな?といった印象。

エンドロールの文字がめっさ小さくてびっくりしたよ!!
全然読めないww

正直「未体験ゾーン」の映画祭っていわゆるB級というか、まあ暴力的だったり、サスペンスだったりエログロだったりで、そんなに「良い映画」がかかるイメージはなかったのですが・・・こんなリッチな作品が一般公開されないの勿体無くない??


日本語字幕:野城 尚子
Aya

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