大変に面白かった。前作「マジカル・ガール」の一筋縄でいかない世界観に魅了されたカルロス・ベルムト監督なので期待値は高かったが余裕で超えてきた。
記憶をなくした国民的歌手リラ・カッセンと、リラの大ファンで本物さながらにカラオケバーで歌うシングルマザーのヴィオレタ。ある日「偽物」に記憶喪失の「本物」に歌とダンスをレッスンしてあげてくれと無茶なオファーが。
そんな二人の運命の交錯を描く物語かと思いきや背後にもうひとつある共通の問題が。この重層的な描き方が本当に巧みで唸らされた。
投げっぱなしのようで実はかなり丁寧なラストまでパーフェクト(鑑賞後かなり考え込むが)前作。音楽の使い方も同様素晴らしいセンス。今後が本当に楽しみな監督。