もやし

シークレット・ヴォイスのもやしのレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
4.6
マジカル・ガールの監督作品。


極めて難解。それも真っ当に難解。
めちゃくちゃ頭良い人が解説ページ作ってたけど、その内容自体が難解だった笑

最後の5分で一気にわからなくなる。




昔めちゃくちゃ人気だった歌手が突然引退し、10年ぶりにコンサートをすることになっていたが、それを前に彼女は自殺を図る。
命は助かったが、記憶喪失になってしまったのだった…

対して彼女の歌を救いにして生きてきたシングルマザーの女性。かなりのファン。
かなり上手いモノマネ動画を上げていたのを本人が見つけ、本人は記憶喪失で歌を完全に忘れていたので、その女性に歌を教えてもらうという何ともよくわからない状況に…



本気でファンだったから、彼女と話せるのが嬉しくて堪らない。むしろ恐れ多い感じ。
アイドルと恋愛してるファンみたいな心境なのかな…笑


この歌手の歌がほんと独特で、確かに天才っぽい!ってなる笑

この作品では「唯一無二」って言葉がよく出てくるんだけど、ストーリー自体はそれに対する痛烈な皮肉になっている。唯一無二って、何なんだろうと。
でも人間なんて皆没個性的なんだーみたいなのじゃなくて、皆何を秘めてるかなんてわからんもんよなという感じ。
むしろ人間って本当に奥深いって思わされる。

そして歌ってこれだけ強い想いが詰まってるんだなとどこか感動する。




シングルマザーの彼女の娘が、本当にこんな酷い奴いるのかってレベルの、一目でわかる人間のクズ… こいつ本当に嫌いだわ……笑



ラスト5分までは本当に真っ当に作られた上質なヒューマンミステリーのよう。
かなりちゃんと組み立てられた話。
そして最後の5分で、それが一気に抽象化される。メッセージが何か大きなものに変わる。

これを一発で理解できる人はかなり頭良いと思います。
もやし

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